【21日目】職業倫理をもったエンジニアになろう

5 12月

こんにちは。id:kent4989です。SIerで金融機関向けのソフトウェア開発プロジェクトのPMやPMOを行っています。また、ソフトウェア開発に関する個人的な気づきや考えについて勘と経験と読経というブログに書いています。よろしくお願いします。

“Professional”論に対する違和感

さて、今回のAdvent Calendarのテーマは”Professional”ということなのですが、個人的にはちょっと違和感があります。皆さんは”Professional”にどのようなイメージを持っているのでしょうか? まず多くの人が「仕事でお金を稼ぐ」=”Professional”と考えているのではないかと思います。また、NHKの某番組の影響で、「何か仕事にこだわりのある人」=”Professional”という考えも一般的かもしれません。あくまでコトバの定義の話ですので正解は無いのですが、わたしは「職業という意味」と「専門家という意味」を取り違えてはいけないと考えています。私にとっての”Professional”であること、とは「専門家」であることです。それでは、「専門家」とは何なのでしょうか。

  • 優秀だったら「専門家」?
  • 特定の分野について有償で知識を提供している人が「専門家」?
  • 他人から認められている人なら「専門家」? オレオレ専門家は偽者になる?
  • 資格をもっている人が「専門家」? 無資格だったらダメ?
  • 専門教育を受けた人が「専門家」? 独学ではいけないの?

わたしは職業倫理をもっていることが「専門家」であることの要件だと考えています。

職業倫理について考える

例えば医療の「専門家」である医師の職業倫理は次のように示されています。

  1. 医師は生涯学習の精神を保ち、つねに医学の知識と技術の習得に努めるとともに、その進歩・発展に尽くす。
  2. 医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心掛ける。
  3. 医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。
  4. 医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。
  5. 医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める。
  6. 医師は医業にあたって営利を目的としない。

医師の職業倫理指針(改訂版)日本医師会(PDF)

患者としてのわれわれは、基本的に「専門家」としての医師を信頼しないわけにはいきません。そして医師は常に信頼を得る為の行動指針としての職業倫理を示しているのです。 ソフトウェア開発の技術者であっても、お客様や利用者から信頼されるものづくりを行うという意味では医師と同じ立場にあるとは言えないでしょうか。上記の文章の「医師・医学・医療」を「技術者・ソフトウェア・開発サービス」と読み替えたとき、ソフトウェア技術者の持つべき職業倫理のイメージが浮かんでくるのではないでしょうか。

職業がプロとして成熟した証の一つは、倫理規定または職業上の行為の水準が存在することである。
ソフトウエア開発プロフェッショナル(スティーブ・マコネル) 第20章 専門的職業の倫理規定(P239)

職業倫理と従業員倫理(企業倫理)

ここで混同していけないのは、職業倫理と従業員倫理(企業倫理)は違うということです。会社組織に属している人であれば自社にも倫理やコンプライアンスのガイドラインがあると思います。そこに書かれていることは、会社組織が社会から信頼されるために書かれていることであって、会社人のためのものです。

「専門家」は、会社組織に所属していたとしても、会社組織とは独立した倫理を持つべきでしょう。例えば会社組織の利益と自らの考えが衝突した時に、「専門家」としての職業倫理が試されるのだと思っています。

たとえばプロジェクトが失敗しそうな時、「専門家」であるあなた(わたし)はこれを看過してはいけないはずなのです。問題を確認し、文書化し、証拠を集め、顧客あるいは経営に報告しなければならないでしょう。それが、社畜と「専門家」を分かつ分岐点なのだと考えています。

なお、拙作のブログ記事にも職業倫理に関する記事を書いていますのでご興味があればご一読ください。

バトンは続くよ

さて明日はこんぴろさんです(実はお会いしたこと無いような)。いまは福井にいらっしゃるのかしら。いま何やってるんですかー?

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コメント / トラックバック3件 to “【21日目】職業倫理をもったエンジニアになろう”

  1. takepu 12月 6, 2012 @ 6:49 am #

    企業倫理と職業倫理。なるほど、と感心しました。
    たいてい「長年続けているとプロになる」とてしまいがちですが、実は「職業倫理」が無いと、プロにはなれないでしょうね。社畜とプロの違いを明確に区別する上でも重要な観点だと思いました。

  2. agnozingdays 12月 10, 2012 @ 1:02 pm #

    takepuさん、コメントありがとうございます!
    >社畜とプロの違いを明確に区別する上でも重要
    本当にそう思います。というわけでエンジニアに職業倫理ブームを起こしたいです(どうやってやるんだろー)

  3. ばしくし 8月 4, 2017 @ 6:55 pm #

    エンジニアって呼ぶから違和感出るんだと思います。

    職業倫理の遵守を法律で義務付けられてる【技術士】を目指すようになれば
    嫌でも職業倫理は遵守されるようになりますね。

    知名度低すぎるんですよ、技術士。せっかくの五大国家資格なのに。
    クソの役にも立たないベンダー資格や情報処理技術者試験なんからより
    技術士目指させた方がはるかにいいのに。

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