【28日目】Beyond the Rule for your Kaizen

12 12月

皆さんこんにちは。
『DevLOVE Advent Calendar 2012 “Professional”』
28日目担当の伊藤 宏幸(@hageyahhoo)です。

■Who is Hiroyuki Ito?

楽天株式会社
開発部 開発アーキテクチャ部 新アーキテクチャ・プロセス課 アジャイルグループ

認定スクラムマスター(CSM)
認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)

ちなみに今年 Agile2012 に参加して、@papanda さんと一緒に ManasLink さんで記事を書かせていただいたことが縁で、8月頃から DevLOVE に参加させていただいています。
ManasLink さんで書かせていただいた記事はこちらになりま~す。是非みて下さいね!
・Agile2012
http://www.manaslink.com/articles/4796
・Rakuten Technology Conference 2012
http://www.manaslink.com/rtc2012
・POStudy Conference 2012
http://www.manaslink.com/articles/8168

■What is my professionalism?

繰り返す。私は何度でも繰り返す。

繰り返す。私は何度でも繰り返す。

私が考えるプロフェッショナル、それは「常に改善ができ、し続けられる」ということです。
常に改善、常に継続。
多くの方がおっしゃっている言葉で、人口に膾炙している感もありますが、敢えてこれをあげさせていただきます。
というのも、私がこのことに本当の意味で気付く事ができたのが、つい最近だからです。

1.あなたがルールを守る理由って何ですか?

私が日々感じ続けている課題。

それは、今あるルールに従うことを暗黙の前提としている人が多いということです。

皆さんの周りにも、今あるものを無意識或いは暗黙の前提として、再考せずに受容している人を見かけませんか?
また、常に今のルールの中での正しさだけを追い、それに合わないものは否定・排除することが目的になっている人、またそれを有能さの証だと思い込んでいる人っていませんか?

皆さんは、自分が今あるルールに従っている理由を考えたことがありますか?
私は、最近やっと考えられるようになりました。

2.ルールに従う限り、ルール以上のものは生み出せない

ルールを守ること、ルールに従うことは、秩序が必要な場合にはプラスになります。
例えば、交通ルールは、あった方が怖い思いをしなくて済みますよね。

しかし一方で、ルールはあくまでルールに従うことを要求します。
常にルールの範囲内で動くことを求められる。
このことを突き詰めると、ルールに従う限りは、ルール以上のものを生み出すことはできないということになります。
【例】
・技術力が低い人を前提に開発プロセスやアーキテクチャを整備したら、
却って技術力の高いエンジニアが実力を発揮できなくなった。
・個人技重視のサッカーからカウンター重視のサッカーにしたら、
準々決勝で敗退した2010年W杯のブラジル。

3.改善は、ルールを超えた先にある

それを邪魔するルールなんて、壊してみせる、変えてみせる

それを邪魔するルールなんて、壊してみせる、変えてみせる

皆さんは、今のルールは変えられない・変えてはいけないと思い込んで、改善に二の足を踏んでしまうことって無いですか?
以前の私は、完全にそうでした。

今から2年くらい前、私はかなり閉鎖的な文化のチームに居ました。
今あるルールに準拠し、その中で成果を出せと、常に上司から言われ続けていました。

ですが、どうしても今あるルールがボトルネックになることがあり、それを変えないとそもそもサービスを提供できないようなことがある。
そういう場合、私は極力上司を説得してルールを変えてもらうように動きましたが、
説得できずにどうしようも無くなった場合、何度か「ルール破り」をしました。
「ルール破り」をしてでもお客様に喜んでもらうことの方を優先すべきと思い、ギリギリのところで私が泥を被っていました。

結果としてサービスの改善はできたものの、「ルール破り」への上司からの批判・叱責、
「ルール破り」となることへの後ろめたさ、判断が遅れたことへの自責の念。
もっと良く出来ないのか?と常に悩み、自分ばかりを責めて泣いて過ごしていました。

そんな自分の気持ちに踏ん切りをつけられたのは、Jim Coplien さんの認定スクラムマスター(CSM)研修であり、Agile Japan 2012 の東京サテライトでソニックガーデンの倉貫さんがおっしゃられた「脳みそのブレーキを壊す」という言葉でした。

そもそも、何で誰にも言われていないのに、今あるルールの範囲内で勝手に考えてしまって、自分を縛る必要があるのでしょう?

変えて成果が出るのなら、それこそが正しいことでしょう。

正しいことが出来るはずなのに、知らず知らずのうちに自分で心にブレーキをかけてしまっていませんか?

そういう「脳みそのブレーキ」、壊してしまってもいいんですよ。

その事に気付いたとき、私は本当に感激して涙を流していました。

これだけ変遷の激しい時代、そもそも既存のルールが常に正しいわけがありません。
ある意味、今あるルールの不足点に気付き、そこを常に改善していくことが、手っ取り早い「改善」と言っても良いかもしれません。

今のルールを超えた先にこそ、改善はあります。
この事に気付けるかどうかが、改善の本質なのではと今では思っています。

4.改善しても良いという気付きは、既存組織だけでは生まれにくい

ここから脱出しましょう

ここから脱出しましょう

ルールを乗り越えるためには、ちょっとした心がけの変化で良いと言えます。
とは言うものの、このルールを超えても良いのだと気付くことは、非常に難しいことだとも私は考えています。

例えば日本の企業の場合、基本その組織内だけに閉じた文化になりがちなので、そもそも気付きを得られないことが多いです。
また、小さい頃からの「正解を求める教育」の影響も無視できません。
高等教育を受けている人ほど、無条件に今あるルールに準拠することを暗黙的に正しいことだと考えて、そこからの改善がおこりにくいです。
そういう意味では、既存組織は非常に堅牢な牢獄だと言えるかも知れません。

ルールを乗り越えるためには、現状が必ずしも正しくないことに気付くきっかけが必要です。
しかし、会社内の自分のチームだけをみていると、改善意欲を大きく損なう恐れがあります。

だからこそ、ルールを超えても良いのだという気付きを得るために、コミュニティ活動に参加することは非常に価値があることだと思っています。
だからこその DevLOVE じゃないですか?

5.改善はしんどい

正直、改善をすること・続けることは、しんどいことも多いです。
既存のルールを超えたところに踏み込まざるを得ないため、大きな抵抗を受けることも多いです。
※もっとも、どんな変化であっても、人は必ず抵抗するものだそうです。(by Paul Laurence)

それでも改善を続けるためには、技術面だけではなく、組織・人間・心についても学ぶと良いです。
例えば、Mary Lynn Manns さん・Linda Rising さんの『Fearless Change』は、変化を恐れる人たちとうまく付き合うための多くのヒントを得られるでしょう。

また、DevLOVE のような自発的改善を目指したコミュニティに積極的に参加することも、あなたの背中を押してくれるでしょう。

あと敢えてあげるならば、勇気でしょうか。

6.勇者への転職に条件などない!

YuSya

しんどいけれども、自分たちの決めたことで成果が出て喜んでくれる人が居るということは、何にも代え難い喜びです。
もちろん仕事ですから利益は必要ですが、人が喜んでくれて楽しいと思えることこそ仕事にしたいですよね。
まさにドラゴンクエストの勇者と同じです。

もっとも、改善をやる方の勇者に転職条件などありません。
既存のルールに従う「fixed mindset」を超え、自力で失敗・学習を行い成長し続ける「agile mindset」(by Linda Rising)を持てば、誰でも勇者になることができます。

皆さんも、勇者になってみませんか?

7.参考サイト

Agile mindset と Fixed mindset については、以下のサイトが参考になります。
http://enterprisezine.jp/iti/detail/3400
http://www.infoq.com/interviews/linda-rising-new-patterns-agile-mindset

■バトンタッチ

次回は、Java エンジニアで千葉県民で京葉線ユーザと、非常に共通点の多い trmmy さんです。
どんなプロフェッショナル像を語って下さるのか、乞うご期待です。

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コメント / トラックバック2件 to “【28日目】Beyond the Rule for your Kaizen”

  1. takepu 12月 13, 2012 @ 2:20 am #

    ClariSの歌、好きです。おいといて。

    「社内ルール」って、ある意味その組織の文化であり、そこで仕事をしている皆様の法律になってしまっていて、簡単に変えられないことが多いですよね。

    変えられない最大の理由は、「面倒くさい」だと思います。
    変更理由の説明、変更後のメリット・デメリットの説明、関係者との調整、関係各所への伝達、マニュアルの変更……。とても面倒で、結局、「ルールは変えられない」という結論に落ち着くんでしょう。

    しかし、それでもなお何らかの方法を考え出し、「自分が正しい」と思う方向へと進まなければ結局何も変らない。だから僕は、いつもクビを覚悟で新しい事にチャレンジし続けてきました。

    「立ち止まる」と「変化する」では大きな開きがあって、「立ち止まる」と現状維持、「変化する」と失敗と成功の確率が50%づつある。この「成功の確率50%」に掛けて、自らリスクを取ることが、大切だと考えています。失敗しても、「失敗する方法」を学べるんです。これは本当に凄いことなんです。

    失敗するから、改善しようと思う。改善するから良くなる。「立ち止まる」事は、「改善する」チャンスすら奪っているのではないか、と思い至りました。

    • The Hiro 12月 14, 2012 @ 12:11 am #

      takepu さん、コメントありがとうございます。

      「立ち止まる」ことと「変化する」こととの確率のお話は、takepu さんのおっしゃる通りだと思います。立ち止まったままでは現状維持までしかできない、変化するとリスクはあるけれども先に進める可能性がある、だから後者を選びたい。
      また、失敗することで「失敗する方法」を学べるという点は、失敗しないと分からないんですよね。
      なので、「失敗できる」環境であることは、学びを得るためには重要なファクターなのだと考えています。

      一方で自分自身で課題だと感じていることは、「変化すること」の必要性を「勢い」や「その場のノリ」だけでつい説明してしまいがちなことです。確かにノリで弾みがつくことがありますが、それで引っかかってくる人は限られる。ノリについて来れない人はそこで「嫌だ」と感じてしまう。
      そういう自分自身の「改善点」を、この DevLOVE Advent Calendar から学びたいと思います。

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